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キンコン西野偉い

 漫才コンビ「キングコング」の西野氏のブログで、芸能人の不倫についてのワイドショーの取り上げ方やバッシング、謝罪要求等について書いてあるのを読んだ。とても共感を覚えた。私自身も常々思っていたことを言葉にしてくれた。冷静に怒りながら発言していた。 
 いわく「謝罪する相手が違う」「彼が(彼女が)不倫したことであなたに何か迷惑かけましたか?」まったく正しい。このとき「あなた」というのは、無責任かつ無自覚に「善」の側に立とうとするコメンテーターたちと、同様に「善」の側にいるつもりの私たち視聴者をも指している。自分はそうならないよう常に気をつけているべきだ。
 また西野氏は、そのコメンテーターたちの中に自分と同業の多くの先輩たちがいることに怒り嘆いている。私自身も小学4年生のときにテレビで偶然「やすきよ」の漫才に触れて以来のお笑い好きを自認している。特に上方のお笑いについては関西近辺在住でない中ではかなりマニアックな方だと思っている。もちろん「キングコング」はマニアックなファンでなくてもよく知られた名前だが。そんな私も、この頃のワイドショーにいわゆる「お笑いさん」「芸人さん」が大挙して出演していることに違和感や不快感を持っていたところだった。
 以前上岡龍太郎が言っていた「芸人に常識を求めたらいかん。彼らは常識がないから芸人になってんねんから。常識あったらこの世界に入ってへん。」21世紀となっては些か極論ではあるが至言だと思う。そんな芸人たちが揃いも揃って神妙な顔で常識人を装う。お笑いを愛する者としてとても不愉快だ。西野氏の言葉を噛み締めるべきだと思う。こういう人たちは少なくともテレビではもう「不倫ネタ」はできないはずだ。芸能界で、いやテレビの世界で食っていく、生き残っていくのは大変なのだろうが。
 そもそも「世間に向けて謝罪すること」のおかしさは、私の敬愛する芥川賞作家、村上龍氏も20年近く前のエッセイで何度も言及していた。様々な不祥事のときの「謝罪会見」について、「たくさんのフラッシュが焚かれる中で関係者が深々と頭を下げる。一体彼らは誰に、何に向かって謝罪しているのか。こういうことがあるからこそ組織の隠蔽体質はなくならないのだろう。」という主旨のことを書いていて痛く同意したものだ。
 誰かを吊し上げて自分は善人ぶるのは止そう。そして芸人さんたち、つまらないことはやめて本業でもっと私を笑わせてください
 

by rui-carlos | 2017-08-14 12:50